だーれーかぁー! ぬーいーてぇー!(芳香/虫姦)

昼間の墓地には、ひんやりとした秋風が吹き込んでいて、それがいっそう荒涼とした雰囲気を醸し出していた。
人影はない。虫の類を除けば、生き物の姿も見えない。
ただ無機質な石の墓がそこらに立ち並んでいるのみである。
枯れ木についた黄土色の枯れ葉たちが、木枯らしに乗って空を舞った。
そしてそのまま何に振りかかるでもなく冷たい石畳に身を横たえるのである。
石畳と枯れ葉は、それぞれがこすれあい、カサカサと乾燥した音を奏でた。
「うーあー……」
それは、薄ら青い肌の死者の妖怪を、ゆったりとした昼寝のまどろみから引きずり出すのに十分な音であった。
彼女は枯れ葉に習うように、石畳を寝床にして眠りについていた。ようは野宿である。
滑稽にも両腕を突き出し、おでこに札を貼りつけているその少女は、すでにこの世のものではない。
地の底より蘇りしキョンシー、その名は宮古芳香である。

うっすらとまぶたを持ち上げる。くああと大きくあくびをする。
眠っていたのだろうか。そもそも死者が眠る必要などあったのだろうか。
あるいは横たわって、ひんやりした石畳の感触を楽しんでいただけだったのかもしれない。
「おーきるぞぉー」
丸い瞳をぱっちり開けて、誰もいない墓地にひとり宣言する。
手をバタバタさせる。足をバタバタさせる。しかし全く起き上がれる気配がない。
キョンシーの固まった体では、起床一つとっても難儀である。
もちろん起き上がりたいのなら、幻想少女らしく飛行でもすればよいのだが、
芳香の脳みそは半腐りであるため、そんな高尚なアイディアを実行にうつすことはできないのであった。
「んーあー、おーきれないぃー」
じたばたするだけでは起き上がれないと分かったらしい。
こんどは身体をゆりかごのように揺らし、勢いをつけて起き上がることにした。
地面と並行に横たえていた手を、天の方向へ掲げる。
そうしてその掲げた手を上下に揺らすことで勢いをつけてゆくのである。
しかし脳みそが脳みそなので、手を揺らすという動作一つとっても、なかなか上手くいかない。
それでもだんだんとコツをつかんできたようで、ようやく上体を起こし、
座るような体制に移行することが出来た。
「うぉー! やったー!」
これだけのことで目を輝かせ、無邪気に喜ぶ芳香。
試行錯誤の末、結果を出し、なんだか頭が良くなったような気がする。
しかし彼女は気づいていない。
この一連の、10分間の動作は、毎日起床するたびに繰り返していることなのである。

そうして起き上がり、今度はなんだかやけに涼しいことに気付く。
ひんやりした空気の中は、身体が臭くならないので、死体乙女としては喜ばしいことであったが、
また急に冷え込んだものだと、少し不思議に思った。
それにお腹の下のあたりがじんじんとしびれているような気がする。
空を見る、いつもと同じ、雲ひとつ無い幻想郷の青空だ。
そして下を向き、身体を見る。服が全くなかった。
それだけではない。下半身を中心に、うねうねが虫にたかっていたのだ。
その虫は20cmほどの長さで、丸々と太っているが、子供だろうか、いくらか小さいものも居る。
形状は男根そのもの。しかもシワシワの玉付きで、蜘蛛のような毛むくじゃらの足が生えている。
そのため移動にも事欠かず、芳香の腐りかけだが程好く肉付いた身体を。八本の足で這い回っている。
もっとも、特筆すべきはその形状ではなく、その行動だろうか。
男根のうち一番太く長いものが、芳香の性器に身体をぶちこんでいるのである。
その八本の足は良い形の尻をつかみ、ピストン運動を助けていた。
すでに何回か射精したようで、膣の端からは白い粘液がこぼれおちている。

ようするにこういうことだ。
この男根そのもののような淫靡な虫の一団は、たまたま立ち寄った墓場で丁度よい雌を見つけた。
服を食い千切り、脱がし、体液を舐めつくすと同時に、あわよくば子供もつくってやろうと、
その膣に何度も何度も射精を繰り返しているのである。それが死体であるとも知らずに。
「うああぁぁー!!」
この事態を前にすれば、芳香でも驚いた。
芳香は事態の分析はできなかったが、とにかく自分の大切な所が、
男根にいじくりまわされていることに恥ずかしさを感じるだけの乙女心はあった。
すぐにでも取り払おうとした。しかしそのあまりにも固い体のために、一匹一匹を摘み取ることができない。
上半身をゆらゆらと揺らし、落とそうとするが、一匹も落ちなかった。
そもそも股ぐらをあさる輩には全く効果が無かった。
「うぐぅぁぁー、やーめろー!」
涙目で男根にかたりかけるが、男根は芳香以上に頭が悪く、言語を解さなかった。
そうこうしている間にも、種付けは進んでいる。
じんじんと甘い刺激が膣から脳髄に痺れ渡ってゆく。
湧き上がる快感、しかし一分の羞恥心はあった。なんとか起き上がろうと、墓石に捕まった。
そうしてキョンシーらしい腕力を使い、全体を起こし、無理矢理立ち上がった。

その瞬間、芳香はぶるんぶるんと全身を揺らした。
手足をばたばたさせ、おしりをふって、足をゆらめかせ、男根を振り落とそうとする。
いくらか小さいものは、ぼとぼとと重力に負けて落ちてゆく。
先ほどの上半身だけの揺れとは比べものにならない効果があった。
しかし特に太く、屈強な足を持つ大物、すなわち芳香と交尾している男根は、その揺れに耐え切った。
更に落ちた男根も芳香の足からまた登り、膣よ胸よと身体を擦りつけている。
全くのいたちごっこ。何度も何度も試みたようだが、解決はしなかった。
「あーあーあー!!」
キョンシー娘のぼんやりフェイスも、ますます曇り、涙も溢れてくる。
薄暗い黒の瞳から、一筋の涙が頬を伝った。
「だーれーかぁー! ぬーいーてぇー!」
とうとう耐えられなくなって、助けを求め始めた。
しかしこの墓場、誰も居ないし、誰も来ない。見捨てられた墓地である。
それならば、助けてくれそうな人の所まで自分で行くしかなかった。
固い体のキョンシーは、足の関節まで固まってしまっていた。
だから芳香はちょこちょことしか歩けなかった。その上交尾されている。二重苦である。
それでも自分では取れないと分かった以上、助けを求めるしか無かった。
「だーれーかぁー!」
死体少女の悲痛な叫びを、今はまだ誰も聞いていない。
木枯らしは、まるで何事もなかったかのように冷たい。

芳香は服もはぎ取られていたが、靴も脱がされていた。
つまり裸であるだけでなく裸足のまま、石畳を踏み、森へと抜けだしたのである。
そして枯れ葉の混じった土を踏んで、森の匂いをかぐ。
その瞬間、また射精された。
「ぐぅぅー!」
この男根の射精はやたら激しい。出そうになると、陰茎出し入れの速度が恐ろしく速くなる。
そしてヌメッとした精子を、母体の状態などお構いなしに子宮口にたたきつけるのである。
神経が鈍い芳香であったが、快感はそれ以上で、射精されるたびに立ち止まらなくてはならなかった。
「ふぅ、ふぅ……」
森に入って一時間になると、歩みもだんだんと弱くなる。
歩きにくいデコボコの土の地面もあり、交尾がまだ続けられていることもあり、
死体であるにもかかわらず、息が荒くなり、表情には疲労の色が浮かんできた。

そしてまた時が経ち、二十回目か、十九回目かの射精であっただろうか、
「うぁ! あぅぁぁ……!」
射精されたのと同時に、とうとうおしっこを漏らしてしまった。
膣全体が敏感になり、尿道周りもとても緩くなってしまっていたのが原因だろう。
じゃあじゃあと音を立てながら、枯れ葉が黒く濡れてゆく。
脳が腐ってからもおもらしをしたことがないことがなかった芳香であるから、
心を折ってしまうには十分なぐらい、ショッキングな出来事であった。
空もだんだん夕焼け色に染まり、カラスののんきな鳴き声が木々の上から聞こえてくる。
森はまだまだ続いており、助けてくれる人にもまだ出会えない。
その心は黒い不安の色でいっぱいになりつつあった。

しかし、それもわずかな時間であった。
森が開け、木々がまばらになり、目下に瓦屋根の家々が見られるようになる。
人里である。芳香にも、あそこならば人が沢山いるということぐらいは分かった。
無くなりかけていた希望の光が、瞳にまた宿る。
「うぁー! だーれーかぁー!」
裸足で舗装された土道に踏み出す。小さい男根はすでに殆ど落ちてしまっていた。
しかしぶっとい親玉男根だけは、いまだ芳香の甘い膣を味わっている。
固い足を動かし、慎重に坂を下ってゆく。転んでは大変だ。
その股からは芳香の膣液と虫の精液がこぼれ、辿ってゆけば芳香がどこにいるのか分かるような、
筋道のようなものを描いていた。

そうして曲がりくねった道を下り続け、ようやく人里までやってきた。
子供たちが駆け回り、商店では人々がああでもないこうでもないと、終わらない商談に明け暮れている。
人里の夕暮れは一日で最も活気のある時間帯の一つである。
芳香はその中に、全裸で駆け込んだ。
全裸でである。
芳香はもう自分が裸であることを、半ば忘れていた。
膣に男根を詰めた全裸娘の乱入に、ある男は狂喜し、ある老人は久々に勃起してしまう。
「だーれーかぁー! ぬーいーてぇー!」
異常な回数の射精を経て、芳香のお腹はぽっこりと膨れている。
足もガクガクである上、甘い感覚のおかげで脳みそもあまり働いていない。
足取りはふらふら、息つく様はまるで病人のようであった。
芳香は一刻も早く誰かにこの虫を抜いてほしくて、大きく声を上げる。
「たーすけてぇー!」
辺りは悲鳴と、好奇心あふれる人間たちのいやらしい視線、そしてざわざわとした話し声にあふれた。
すべては芳香を原因とするものだ。
しかし人里の人間は、芳香を遠巻きに眺めるばかりで、助けてはくれない。
死体然とした、そして妖怪然としたその姿がいけなかったのだろうか。
近づいたら噛まれそうとでも思われたのだろうか。
「だれかぁー!」
それならばと芳香から近づいても、それはそれで逃げられてしまうのだ。
閉じられた扉を両手でどんどんと叩くが、家の人は居留守を使うばかり。
芳香は悲しい気持ちのまま、人里を練り歩く。
魚屋の前から八百屋の前、団子屋を通って、住宅街の方面まで。
もちろん全裸のまま。結合したまま。
しかしその甲斐もなく、男根はいまだ交尾を続けている。
もしかしたら、このままずっと性交し続けるのかもしれない。そんな気持ちになりかけた。
そして住宅街の中、芳香はひときわ大きな長屋、寺子屋の前までやってくる。

そこで転機が訪れた。
芳香は白い髪の何かが飛び出てきたことにも、ほとんど気付けないぐらい疲労していた。
「お前か、破廉恥な姿で人里を歩き回っているというのは!」
叫び声を上げたのは上白沢慧音、ワーハクタクである。人里を乱す者は許さないのが彼女である。
変な妖怪がいる。しかも全裸と聞いて、授業を自習とし、やってきたのだ。
「お前は何で! 何を思って全裸で!」
その顔は真っ赤だった。
走ってきたこともあるが、その様子が予想以上であったことが大きかったのだろう。
年頃の少女のような妖怪が、男根のごとき生き物とまぐわっているのである。
このような形で妖怪が人里に来るのは、いままで生きていた中でもそうはなかったはずだ。
「おーまえー! ぬいてくれぇー!」
敵対心丸出しの慧音に対し、芳香の心は踊っていた。
人里に降りて、初めて自分に話しかけてくれた人間である。
もしかしたら助けてくれるのかもしれない。

しかし慧音はその申し出に、目を丸くする。
「抜くって、こいつをか?」
「ぬいてぇー!」
慧音はたくましい男根の蠢きを、しばし見つめた。触りたくもないというのが正直なところであった。
「そんな、自分で抜けばいいだろう!」
「ぬーけーなーいーのぉー!」
芳香も必死である。頬をふくらませる。
手をバタバタさせて、慧音に突進する。慧音の頭はその手にポコポコと殴られてしまった。
死体にありがちなことであるが、その力は信じられなぐらい強い。痛い。
「わかった、わかった!」
芳香の攻撃をなんとか押さえつけ、答える。
芳香はにっこりと笑った。

とはいうものの、その形状はグロテスクであった。
慧音はしゃがみ込み、芳香の膣にはまりこんだそれを視認する。
黒光りするそれは使い込んだ男根そのもの。血管は浮き出て、ビクビクと精液を送り込んでいる。
長さは20cm、直径は4cm近い。あまりにもたくましかった。
玉袋の皺はやたらリアルで、真っ黒で縮れた毛まで生えている。
その足はけむくじゃらで、そしてなにより色んな液でベタベタになっていた。
臭いはかなりキツイ。その一部は芳香の腐液なのであるが。
慧音は芳香を見上げる。
芳香は期待からか、ピカピカ輝く子供のような目をしていた。
慧音はため息をつく。そしておもむろに、その男根に手を這わせた。
ビクンと一度跳ねる。外部の刺激を受けたからであろう。ピチピチと蠢く。
大きな玉袋がゆらゆらと三度揺れる。
慧音の肌にさっと鳥肌が立つ。
「ええい、この!」
しかし触っているだけでは始まらない。ギュっと掴んで引いた。
男根の八本の足は芳香のやわらかいお尻をがっちりホールドしている。
すこし引いただけでは抜けそうになかった。
それどころかその刺激が射精を招いたようで、芳香の子宮に、また汚い精子が流し込まれる。
「うぁあぁあぁあああああー!!」
足が、尻が、そして膣が、流れる精液に反応してビクビクと痙攣する。
芳香の膣はもうヤラれすぎてバカになって、ものすごく敏感になっていたから、
その快感はまたすさまじいものになっていた。
精液が、そして膣液が、まとまって慧音の服に振りかかる。いくらかは口にまで入ってしまった。
慧音はあまりの臭いに戻してしまったが、それを横に吐き出し、男根にまた向き直った。

慧音の白い手が、男根を握る。芳香だけでなく慧音の瞳も潤み始めていた。
あまりに汚らわしいものを、これ以上触りたくないという気持ちがあるのだろうか。
「くそ!」
それでも一度引き受けたことを投げ出すほど、無責任な女ではなかった。
「生半可な力で駄目なら、全力で引っこぬいてやる!」
文字通りに鷲掴みにし、中腰になり、今度は力のかぎり引っ張った。
その力に慌てたのか、男根は異様に暴れたが、所詮は下等な淫獣、ワーハクタクの力には敵わなかった。
お尻に食い込んでいた足は一本一本と離れ、しがみつくところを失った男根は、
膣からずるりと抜け、精液をまき散らしながら慧音の腕に収まった。
あまりに力を込めたから、慧音と芳香はいきおい尻餅をついた。
「あうっ、うああぁぁー」
芳香の膣かが、ぶうぶうと音を立てて精液が溢れでる。股周辺の地面が真っ白に汚れる。
通算三十回にも及ぶ精液は相当の量をほこっていた。
かき集めてば、1リットルペットボトルを埋めてしまうほどになるであろう量だった。
生きている女の子であったなら、当然妊娠してしまったであろう。

一方で、慧音の腕の中の男根は、いまだいきり立っていた。
慧音は虫を見た女の子の顔で、反射的にそれを地面に叩きつけた。
しかし男根はゴキブリ並の生命力を誇っているらしく、叩きつけられてもまだ動く元気があった。
足を蠢かせ、今度は慧音のスカートの中に入ろうとする。メスのことしか考えていない生き物だった。
「まだやる気か!」
慧音は反射的に立ち上がり、そのまま男根を踏みつぶした。
それはぎゅうと妙な鳴き声を発し、ウインナーを割るような音とともに、中途で真っ二つに折れた。
しかし折れた男根はそれぞれ生きているようで、まだ蠢いていたため、
慧音はどちらをも徹底的に踏みつぶさなければならなかった。
「ど、どうだ!?」
辺りがますます精液まみれになる。水たまりを作るほどの量が、まだ玉袋に残っていたのだ。
慧音の靴は、もちろん真っ白だ。買い替えを考えなくてはならない。
しかしもう動いている男根はなく、死んでいるのだろうと分かった。

「あーりーがーとぉー!」
男根を踏みつぶした慧音に、芳香が抱きつく。
もちろん関節は曲がらないので、手を伸ばしたままの妙なやり方だったが、
これがキョンシー式の抱きつき方なのだろう。
そしてキスの雨あらし、慧音の顔に降らせる。キョンシー式の愛情表現か。
「ありがーとぉー!!」
「分かった! 分かったから!」
物凄い力なので、ともあれやたら感謝していることだけは確かであった。
「キャー!」
「お熱いね!」
「先生かっこいい!」
寺子屋の子供たちはいつのまにか教室を抜け出し、二階の窓から、
そして寺子屋の入り口から、二人の様子を眺めていたのであった。
「お前ら、自習していろと言っただろう!」
正直、先ほどの光景は子供たちに見せられるものではなかった。
慧音は子供たちを追い返そうとする。
「あーりーがとぉー!!」
しかし芳香に抱きつかれて思うようにいかなかった。またキスの雨。一生分の接吻はした。
慧音はなんとか芳香を引き剥がしたが、それはあの男根を引っこ抜くことよりも難儀なことであった。

引き剥がされた芳香は、自分の身体にあの男根がいないことを確認し、満面の笑みを浮かべた。
「かーえーるぅー!」
用事が終わったのでもう帰るらしい。
まっすぐ伸ばした手とともに、くるんと方向転換をし、
もともとやってきた森の方向とは全く別の、どこかわからない方向へ歩き出そうとしていた。
勿論全裸である。男根がなくなって、全裸であることは既に忘却の彼方である。
「待て待て!」
今度は慧音が芳香を掴み、呼び止める。
「服着せてやるから、こっちに来い!」
慧音は芳香を寺子屋に連れ込み、液体だらけの身体を拭いてやった。
そして彼女が使っていた物なのであろうか、白い褌を締め、緑色に染められた木綿の浴衣をその上に着せた。
芳香はきょとんとしていたが、特に不満もないようで、その両腕をゆらゆらさせていた。

その後、芳香は寺子屋に一泊した。
帰り道も忘れてしまったということで、このまま放置するのはまずいという、慧音の配慮だった。
芳香は死んでから縁遠かったふとんというものを、じっくりとふかふかと味わった。
「お前、家はどこだ?」
「おはかおはか」
布団の中で、慧音は芳香に尋ねた。
しかし芳香は自分が住んでいるところについて、墓地であることしか知らなかった。
そのためお人好しの慧音は、一日かけて幻想郷中の墓地をめぐることも覚悟したが、
翌朝、寺子屋から森へと乾いた精液が道になって続いていることに気付き、
ようやく芳香を元の場所に連れ戻すことが出来た。

キョンシー娘が奇妙な男根状の虫に襲われ、人里を全裸で歩きまわったこの事件は、
文を始めとする新聞記者達に「死体娘、全裸で出没! 人里は一時騒然!」との見出しで報じられ、
芳香自身はともかく、彼女の所有者やその周りの人々を大いに赤面させることとなったことは、
もはや言うまでもない。
スポンサーサイト
[PR]

テーマ : SM・拷問・調教・凌辱 
ジャンル : アダルト

諏訪子さまの排泄管理(諏訪湖/スカトロ)

諏訪子さまがよくお便秘なさるので、仕方ありませんから、排泄を管理することにしました。
私がそう告げると、諏訪子さまはたいそう嫌がりましたが、その小さい肩を捕まえ、畳張りの居間に無理矢理連れ込んでしまいました。

諏訪子さまの体は軽く、ただの女子高生でも軽々と持ちあげられてしまうほどです。
私は、諏訪子さまの背を、とっくに追いぬいています。諏訪子さまの姿は、神様でなければまるで幼女でした。
長い時を生きてきたはずが、その仕草には染み渡ったような幼さがありました。
胸の奥が興奮でじんと熱くなります。私は興奮で高ぶった声を振りかざし、諏訪子さまに命じます。
「諏訪子さま、どれだけ嫌がっても、絶対してもらいますからね」
「あぁうぅぅ……」
諏訪子さまは私のおもちゃです。幼く柔らかな体は、そういって、しおしおとしおれてゆきました。
そのまま、誘っているかのように短く仕立てられたスカートを、おずおずとまくりあげます。
パンツは、色気づいていない小学生が履くような、ふかふかの生地にわずかなフリルが飾られている、いたってシンプルなものです。
外の世界にいたころ、私が諏訪子さまのために買ってあげた品でした。邪な気持ちで買いました。
それでも諏訪子さまは、私からの贈り物をいまだに愛用しているのです。私の贈り物だから、ですね。
そして私はゴムに手をかけ、その子供っぽい下着を下ろしてゆきました。細腰が露出します。抵抗はありません。
ただ、パンツを奪われた瞬間、恥ずかしそうに、うぅぁとため息のような声を漏らしました。
その息は、私の額にかかり、諏訪子さまの温かい体温が感じられました。

諏訪子さまのおしりは、幼く小さいわりに、しゃぶりつきたくなるぐらい柔らかで、ほどよく肉づいています。
ちょこちょこと歩くたびに、右に左にと歩くたびに揺れて、思春期からの私を誘惑し続けてきたものです。
その色はほてるように赤く、時には白く、新鮮なもものようになめらかでした。
私はたまらず、そのたっぷりした尻たぶにキスをします。想定外だったようで、諏訪子さまはビゥっと震えました。
「早苗ぇ、もうやめようよ、なんだか触り方が変態っぽいよ……」
諏訪子さまがふざけたことをいいます。諏訪子さまはいつも、私のスキンシップから逃れようと、ぐずった声をあげます。
そのような時、私は、おしりをなで回しながら、いつもこう言ってあげるのです。
「諏訪子さまのために、私は外での生活を捨てましたよ」
たったこれだけの言葉で、諏訪子さまは私のいいなりです。いいなりにならないなら、泣いてしまえばいいのです。
「それとも、これだけのやんちゃも、許してくれないんですか?」
「うぅ、わかったよぉ……、あまり酷くしないでね」
諏訪子さまは、私を幻想郷にひきずりこんだことに罪悪感を持っていますから、反論できません。
悲しそうな顔をして、私のものになります。この時の諏訪子さまのお顔は、半べそでとても可愛らしいのです。

私はおとなしくなった諏訪子さまを、直径25cmほどの白い皿をまたがせ、しゃがんでもらいました。
そうです。ちょうど白くピカピカの和式便所に、座ってもらったような姿勢です。
私は諏訪子様の後ろから、這いつくばって、足の間を見上げます。
当然ながら、諏訪子さまのお大事は丸見えです。そのいやらしく窪んだ形を、指の腹で撫で回しました。
諏訪子さまが、おどろいて、ひゅっと息を飲み込みます。
諏訪子さまのおまんこは、不思議なもので、ぴっちりとじたすじなのに、中は柔らかく発達していました。
二つの丘をかき分けると、わずかに発達した赤い具が顔を出します。すじの中は意外と大人にできているのです。
その小ささとは裏腹に穴はいやらしく蠢き、入り口を撫でていた指が、するすると入り込んでいきました。
「諏訪子さま、濡れてますね。神様なのに、子供の子供の、ずっと子供にいじられて、興奮するんですね」
諏訪子さまは顔を赤くして耐えています。泣きじゃくる幼児のように、はぁはぁと息をつきながらです。
神様なので恋愛もできませんが、本当はセックスしたくてたまらないのでしょう。膣の奥に性欲が凝り固まっているのでしょう。
私は伸び始めた爪の先で子宮口を撫で、カチカチの性欲を掻きだしてゆきます。
諏訪子さまの体温は、心臓がばくばくと送り出す血の流れで、だんだんと温かくなり始めたようです。

そして指でいじりながら、起き上がり、お洋服に顔を密着させて、その香りを鼻で味わいました。
諏訪子さまの体はじっとり汗ばんでいます。細い両足はふるふると、耐え難く震え続けています。
「やめようよぉ、でしたっけ。これじゃあ、もっとやってよの間違いじゃないですか」
返事はありません。ただ、荒い息遣いばかりが聞こえます。私の息遣いも、そこに混じっています。
私が諏訪子さまの耳の裏をなめると、あぅあぅと色の混じった喘ぎ声がこぼれました。
執拗に続けた前戯のおかげで、諏訪子さまの蜜は私の手をべたべたにするにとどまらず、大きな皿に、いくつかの水たまりを作っています。
もはやケロちゃんでなく、エロちゃんです。なんだかんだいって、諏訪子さまは、私と同じでとっても性欲が強いんですね。

遠い目をしてイキかける諏訪子さまの頭を、帽子ごしになでなでしてあげます。
そして私は、右手の奉仕の対象を、ほぐれたおまんこから、きゅっと締まったお尻の穴に変えました。
「それじゃマッサージしますから、うんちが出そうになったら言うんですよ」
「う、うん、わかった」
諏訪子さまは、荒く息をしながらも、こくこくと頷きます。
たっぷり蜜を貰ったお陰で、おしりの穴はすぐに指を受け入れてゆきました。
しかし、諏訪子さまのアナルは、おまんこと比べて固く、簡単には広がりそうにありません。
諏訪子さまは私の先祖なので、おそらく経産婦ですが、大昔はアナルセックスが一般的ではなかったのでしょう。
アナル経験は殆ど無いに違いありません。何度遊んであげても、まるで処女のようにカチカチなのです。
それでも根気よく出し入れを繰り返してあげれば、だんだんと穴は広がり、気持ちよさを貪るようになります。
挿入された二本の指を、赤々とした内側の壁が、きゅうっと絞めつけてきました。
かと思うと、諏訪子さまの意地きたないアナルは、二本では足りないとばかりに、ぱっくりと口を開けてくるのです。
その要望に答え、三本目の指を入れ、アナルの壁を掴み、ぎゅーっと広げてしまいました。
「あぐぅぅ、痛いよ早苗……」
私は諏訪子さまの悲鳴にもかまわず、たっぷりと拡張された穴の中を、おしりの下から覗き込んでみます。
たっぷりと溜まったはずのうんちは、陰も形もありません。まだ奥に引っ込んでいるのでしょう。

ここまでされてまだ恥ずかしいとでも言うのでしょうか。うんちをせずに、帰してもらえるとでも思ってるのでしょうか。
「諏訪子さま、目的を忘れてません? 気持ちよくなるんじゃなくて、うんちをするんですよ」
「うん、ご、ごめん、早苗」
私が叱りつけるように言うと、諏訪子さまは縮こまり、お腹に力を入れ始めました。
諏訪子さまが穴を広げようとしている。そのことが、アナルの筋肉の動きから伝わって来ます。
そうすると、穴が広がったおかげか、早くも奥に茶色い影が見え始めました。あれは、諏訪子さまのうんちです。
苦戦しているようです。ゆっくりゆっくりと出ようとはしているのですが、うんちはなかなか降りて来ません。
「ほら、頑張ってください!」
私は諏訪子さまに喝を入れるため、真っ白なお尻の肉に、手加減なしのビンタを浴びせました。
「いぎぁ!?」
諏訪子さまの体が大きく跳ねます。叩いた部分は、血が滲んだかのように真っ赤に腫れあがります。
しかしそのおかげで妙な緊張が解けたのか、嘘のようにうんちが下って来ました。
私がアナルから手を離すと、広がった穴は元に戻ろうとしましたが、太くて固いうんちにより、すぐに押し広げられました。
太い太い諏訪湖さまのもの、お尻の穴から出てくる様子は、アナルに突き立てられたおちんちんのようにも見えます。
そしてバナナ一本分ほどの長いうんちは、やがてぷっつりと千切れ、お皿に産み落とされました。
諏訪子さまに温められ、ほかほかです。湯気が漂っているかのようです。
「へへ、諏訪子さまのうんち、とっても臭いですねぇ」
諏訪子さまのほっぺたに、一筋の涙が伝うのが見えました。落ちつぶされるような恥辱に、体をこわばらせています。
鼻をつまみたくなるようなうんちの香りが、部屋の中に立ちこめてゆきました。

私は割り箸を取り出し、諏訪子さまが産んだうんちを、ばらばらと解剖します。
諏訪子さまの健康管理のため、消化されてないものがないか、確かめるという名目です。
しかしコーンも、にんじんのカスも、そこには全く残されていませんでした。
消化はきわめて良好な模様。この日のためにわざわざ食べさせておいたのに、少々期待はずれでした。
「早苗、もうパンツ履いてもいい……?」
諏訪子さまは涙目で私の方を見ています。唇はふるふると震え、泣きわめきそうな感情を堪えているかのようです。
うんちをさせられたぐらいで泣いちゃうなんて、なんて可愛い神様なのでしょう。
私の熱情は、まるでガソリンがなみなみと注がれたかのように、再び燃え上がり始めました。
「駄目です。まだ奥のほうにうんちがあるかもしれません」
「あーうぅー……」
諏訪子さまは、残念な気持ちに囚われ、口をぱくぱくさせます。食べちゃいたいぐらいです。
そうでした。私は、ここ一週間、諏訪子さまに排泄物の量を報告させていました。
お通じはたったの一回しかなく、これだけでうんちが終わるとは、とてもじゃないですが思えません。
私は立ち上がり、部屋のタンスの中にあるビニール手袋を取り出しました。
「早苗、何するつもりなの……?」
「摘便です」
諏訪子さまは怯えています。迫り来る私に、嫌な予感がしたのか、ふるふると首をふります。
その諏訪子さまを押さえつけ、ビニール手袋につつまれた右手を、諏訪子さまのひくひくアナルの入り口に添えました。

ぬちゃぬちゃになったそこに、私は指を入れます。すでにほぐてきっていて、指四本まではすぐに入りました。
「手を全部入れますからね。直接うんちを引っ張り出してあげますから」
「え!? む、無理だよ! やめて、やめて早苗ぇ!」
私は親指も含めた五本の指を、アナルに挿入していきます。
とはいえさすがに窮屈で、入れるのだって一苦労です。力をこめて無理矢理突っ込んで行きました。
「痛い! 痛いよぉ!」
「我慢して下さい。諏訪子さまは神様でしょう」
掌が全て入った瞬間、諏訪子さまが叫びます。注射を嫌がるお子様のようです。
アナルの皺は伸びきっていて、その広がりの大きさいい、小さな小さな諏訪子さまのアナルは、限界を迎えようとしていました。
本当に痛いのでしょう。あまり長くやっていると切れ痔になってしまうかもしれません。
私は愛する諏訪子さまのために、手早く摘便を進めることにしました。

とはいえ、手首を過ぎればそれ以上太い部分は少ないものです。諏訪子さまの幼いアナルは、わたしをどんどん飲み込みました。
「あっ、あひ……、ひぃぃ」
時折弱々しく震える感触が、腕に伝わってきます。赤ちゃんを生むお母さんのように、呼吸を繰り返しています。
私のご先祖様を産んだ時も、こんなふうに弱々しい姿だったのでしょうか。
そうして悠久の時に思いを馳せていると、とうとう黄金に行き当たることができました。
諏訪子さまの奥には、一掴みでは掴み切れないほどの、大型のうんちがあるようです。
「諏訪子さま、やっぱりうんちが残ってましたよ。これで終わりです。ゆっくり出してあげますからね」
「ほ、ほんと、これ出したら終わり?」
「ええ」
それだけの言葉で、諏訪子さまは、泣き笑いのような安心した顔を見せてくれました。
そのようなほっとした表情に、泥を塗るのが一番の快感です。私はぶっといそのうんちを、奥から一気に引っ張り出しました。
手の甲の骨と、凝り固まったうんちが、アナルの壁を荒々しく引っ掻いた、そんな瞬間です。
「あ゛うう゛ううぅぅうう!!!!」
諏訪子さまの体が、カエルのように跳ねます。諏訪子さまは、その特大うんちを吐き出す瞬間、おまんこから潮を吹きました。
続けて黄色いおしっこが、小川のようにおまんこを伝って、ちょろちょろとお皿の中にこぼれ始めます。
ひっひっと、涙混じりのしゃっくりのような声を小さく上げました。
痛すぎて漏らしてしまったのでしょうか。それとも、本当はとっても気持ちが良かったのでしょうか。
諏訪子さまは耐え切れなくなり、とうとう気絶し、畳の上に崩れ落ちてしまいました。
ビクビクと痙攣しています。幸い、うんちもおしっこもお皿の上からはこぼれていません。
「あーあ、うんちぐらいで、情けない神様ですねぇ」
私は苦笑しました。諏訪子さまを信仰している人たちが見たら、どう思うのでしょうか。
信仰を失って、ただの女の子になってしまうのでしょうか。それも美しいかもしれません。
しかし、私は諏訪子さまが愛おしくなり、今日のところは、いじめるのもそろそろ終わりにしてあげようと思いました。
私は小さい神様の足をV字に広げさせると、濡れたティッシュペーパーで前と後ろをぬぐい、綺麗にしてあげます。
ふりふりのくまさんパンツを履かせ、諏訪子さまのおふとんに寝かせてあげました。

諏訪子さまのうんちは、皆さんに見てもらうため、神社の石畳に転がします。
もちろん神社の名誉もありますから、諏訪子さまのうんちだということは秘密にしておきます。
ただ、布団から起き上がった諏訪子さまにだけは、晒し者にされているうんちのことを教えてしまいました。
昼間の守屋神社は参拝客でいっぱいです。諏訪子さまの顔は明らかにひきつっていました。
参拝客の皆さんは、犬のフンかなにかだと思っているのでしょう。行ったり来たりしながら、器用にそのうんちを避けます。
転がっているものに、露骨に顔をしかめる人も少なくありません。それで諏訪子さまは、終始そのうんちを気にしていたようです。
私が、あのうんちは諏訪子さまがスカトロプレイで産んだものです、なんて吹聴するかもしれないと、恐れていたのかもしれません。
平静を装いながらもなんだか恥ずかしそうで、その姿は私の興奮を煽りました。

今日の夕食はカツカレーです。ビーフではなく、チキンのカツです。
太くて茶色い諏訪子さまのうんちを思い出しながら、カレーソースを煮込んでゆきます。
私がカレーにマヨネーズをかけ、神奈子さまが福神漬けまみれにする、いつもどおりの食卓。
諏訪子さまは、大好きなカレーが盛られた皿を、思いつめたような眼差しで見ていました。

知らぬは神奈子さまばかり。

テーマ : SM・拷問・調教・凌辱 
ジャンル : アダルト

魔理沙料理で毎日お腹いっぱいになりたい(魔理沙/カニバリズム)

魔理沙という肉畜がどうしてここまで人間に似ているのか、それは誰も知らない。

魔理沙は牛豚鶏に並ぶ家畜である。
豚のように繁殖させられ、牛のように狭苦しい小屋で育てられた後、鶏のように憐れに首をはねられるのだ。
そんなものを、どうして人間と一緒にできるだろう。魔理沙は肉であった。
その肉は様々な場所に流通し、日本社会に浸透しつつある。
魔理沙肉の市場は、今急激に拡大しようとしていた。
今日も青空である。雲もほとんどない。絶好の肉日和だ。

そんな駅前にて、朝から魔理沙料理店へと、金髪の全裸少女たちが列で行進させられている。
もちろん人間ではない。魔理沙だ。遠目に見れば人間と間違えてしまうが、十五頭はいずれも魔理沙だった。
一繋がりの手錠がそれぞれの魔理沙を拘束しており、まるで船に詰め込まれる奴隷のようだった。
「オラ! さっさと歩け!」
「抵抗したら、まっさきに殺してやるぞ。嫌なら歩け!」
従業員たちの乱暴な声。嘘じゃない。店員の服から、魔理沙の血の匂いがいやに漂ってくる。
待ちきれなくなり、すでに手近な魔理沙に腹パンしている者もいる。吐瀉物が辺りに撒き散らされている。
怒号ひとつで、彼女たちはビクリと体を震わせ、わずかな抵抗の気持ちすら握りつぶされてしまうのだ。
魔理沙たちは12歳から14歳程度の体つきで例外なく全裸。といってももちろん動物なので全裸は普通のことである。
目鼻はととのっていて、上がり気味の眉は勝気な性格を表しているが、
恐怖に浸りきったこの畜生どもは、もはや恐れ以外の顔をすることができない。
蛇に睨まれた蛙の心境で、魔理沙料理店へずらずらと行進させられるのだ。

公衆に裸を晒す。そのことに抵抗を感じる魔理沙も少なくない。
そのような魔理沙はせめてと、手錠でつながれた手を膣の前に回し、隠そうとする。
「色気づいてんじゃねえぞ!!」
突然一頭の魔理沙に、棍棒が振り下ろされた。膣も胸も丸出しにせよと指導されていたはずだった。
汚い魔理沙はどんな性病を持っているか分からない。魔理沙丼は健康に悪い。魔理沙どちらかというと生ゴミに近い。
そんなイメージ払拭するための全裸行進でもあった。
棍棒は腹に埋まり、あばらにぴしりとヒビが入った。内蔵は幾つか破れた。
「ゲホッ! ごほっ! ずみまぜ……ごほッがほッ!!」
その魔理沙は涎混じりの血を吐いた。他の魔理沙は悪夢を見るような目で一部始終を見守る。
殴られた魔理沙は瞳を濁らせ、ふらふらとした足取りながらもなんとか歩こうとした。
アバラがおかしい。しかし止まれば殺される。この魔理沙はそれだけ理解できた。
それだけ確認すると従業員は満足そうに笑う。魔理沙は愛想笑いさえ返せなかった。

魔理沙料理店は駅前店らしい堂々とした大きさで魔理沙たちを迎え入れた。もちろん魔理沙たちは食べられる側だ。
裏口の奥の肉置き場は、肉を置く場所であるが、この店では屠殺場も兼ねている。
扉を開けるだけで、恐ろしい血の香りはますます強くなって、魔理沙たちから汗が吹き出る。
しかし先ほどの一騒動もあり、魔理沙たちの誘導はスムーズ極まりない。
全員を一列に並べる。その上で万歳をさせ、手錠を天井に通る鉄棒に固定し、鉄製の足かせで個々の魔理沙を拘束してゆく。
大の大人三人での作業、数分もせずに魔理沙たちの最後の自由は失われた。

シャッターが開く。開店。午前十時が開店時間だ。
魔理沙の人生は家畜の人生。教育は存在しない。出荷が決定するまで、牧場で豚のように育てられてきた。
人間社会を知らない魔理沙は、ここがどこかも、この人達がだれなのかも分からない。
魔理沙はシャッターが何故開いたのかそんなことすら分からない。
「いらっしゃいませー!」
三十代ほどのサラリーマン風の男性が、3人ほど店にはいってきた。
「はい魔理沙丼大盛りで、三つ! 大三つ入りましたー!」
「はいよ!」
その声とともに、屠殺場一番左にいる魔理沙の命運は尽きる。
大型の包丁を持った店員が、13歳ほどに見える中型の魔理沙の目の前にやってくる。
魔理沙はもう店員の顔を見るだけで恐ろしいのか、目に涙を浮かべて、体をくねらす。
店員は形良く括れたその腹部に手を添えると、包丁をそこに添える。そして一気に、魔理沙の腹をかっさばいた。
「あ゛ッ……!? あぁ、あああ、あああぁぁ……、ああああああああ!!!!」
突然の激痛に魔理沙は絶叫した。裂けた腹から造物がどろどろとこぼれてくる。
叫ぶのも当然だ。殺されようとしているのだから。
膣からは尿は噴出し、タイル貼りの床を黄色く染めてゆく。しかしその黄色も、すぐに血の赤で塗り替えられた。
店員はずるずると内蔵を摘出すると、それをすべてゴミ箱に捨て、かわりに腹の肉を切り取りはじめた。
内蔵を失った魔理沙であるが、痙攣しつつ、しぶとく生きながらえている。
もっとももはや叫び声も枯れ切ってしまい、白目をむいたまま泡を吹いているだけだ。
肉はどんどん切り取られる。そして解体の対象はやがて足に変わった。
少女らしいむちむちとした健康的な足が、付け根から切り離されると、あっという間にまな板へ向かう。
まな板へ向かった肉はバラバラに解体され、肉片の集合体へと変わった。
そして一口大に切りそろえられた肉は、まとめて中華鍋に投入され、じゅうじゅうと焼けながら良い匂いをたてる。
魔理沙肉独特の、さっぱりとした脂の匂いだ。カロリーも鶏肉以下で、メタボな男性にもオススメだ。
「へい、魔理沙丼お待ち!」
ほかほかと湯気を立て、魔理沙丼が並べられてゆく。
柔らかい肉と、甘辛いタレが絶妙にマッチしており、客たちは夢中でご飯を崩してゆく。
そうして一杯平らげた後は、魔理沙丼の虜になり、また店に足を運ぶことになるのだ。
実際、魔理沙丼の店がはじめてここに出来てから、客足は増える一方、魔理沙は殺される一方である。
最初に腹を裂かれた魔理沙は既に事切れており、上半身だけが手錠で繋がれ、むなしく鉄棒にぶら下がっていた。
他の魔理沙たちは、次は自分だと考え、震えが止まらなくなる。
店員がまた屠殺場に入っていく。今度は左から二番目の魔理沙が標的になった。
仲間が殺された場面を見た魔理沙は、精一杯抵抗しようとする。両手両足をじたばたさせ、店員をはねとばそうとする。
しかし魔理沙の体力は、所詮13歳ほどの少女のそれにすぎない。大人の店員が本気で抑えつければ抵抗することなど叶わないのだ。
結局その魔理沙も腹を裂かれ、絶望の中で失血死していった。
残った魔理沙は泣き、ある者は叫び、一部はすでに発狂してうふうふと奇妙に笑っている。
遠からず全員があの世行きになるだろう。

飲食店の例に漏れず、昼になると、魔理沙料理店は途端に忙しくなる。
魔理沙丼の注文もみるみる増え、魔理沙は次々と殺されてゆく。
「嫌あぁ、嫌あああああ!! 殺さないでええええ!!!」
楽しそうに談笑する客たちは、屠殺される魔理沙の悲鳴を聞くと、じゅるりと涎をたらした。
魔理沙は殺したてが美味しいというのは、魔理沙について多少の知識がある人ならば、もはや常識である。
魔理沙の悲鳴は、すなわち美味しい魔理沙丼を意味するのだ。
そして丁度殺された魔理沙の肉が、ほかほかのどんぶりとなって、客の前に並べられる。
「上魔理沙丼、お待ち!」
上魔理沙丼は、魔理沙丼を少し上等にしたものだ。具体的にどこが違うかといえば、使われている部位が違うのである。
魔理沙丼には腹肉と足肉が使われていて、これも一応美味しいのだが、
魔理沙の中で特に柔らかくジューシーなのは、二の腕、おっぱい、尻の三箇所である。これを霧雨魔理沙3種の神器と呼ぶ。
これらの場所は魔理沙の中でも特に人気が高く、また取れる量も少ない。
そのため、上魔理沙丼は魔理沙丼の三倍の価格となる。しかしどうせなら美味しい魔理沙を食べたいというのが人情だ。
えぐりとった尻肉の豪勢さ、おっぱいのやわらかい弾力に、とろけるような二の腕。
上魔理沙丼の注文はいつも絶えない。日によっては、屠殺が間に合わなくなることすらある。

そして夜になると、客のサイフの紐が緩むのか、ますます値の張る品が注文されるようになる。
「魔理沙コブクロ揚げお待ち!」
子宮をまるごと引っ張り出し、高温できつね色になるまで揚げたこの一品は、魔理沙料理でも特に値が張るものだ。
魔理沙一頭につき、一個しか取れないのだからそれも当たり前だろう。
コブクロ揚げは、コリコリした独特の食感をもち、その匂いもクセがある。
しかし常連には、そのくさみが却って食欲を増進させると、もっぱらの評判だ。
ソーセージを詰め込んで揚げた魔理沙セックス揚げや、子持ち魔理沙のコブクロを揚げた魔理沙親子揚げなど、
バリエーションも豊かで、極めようとしても極めきれない奥深さがあるのである。

そして閉店、24時をまわると、客足も少なくなりラストオーダーとなる。
後は掃除をして収支を確認し、明日に備えて家に帰るだけだ。
夜になると屠殺場は赤黒い血まみれの地獄絵図と化す。魔理沙の内蔵や肉片がそこらじゅうに飛び散り、生臭い臭いをたてている。
これだけの魔理沙を殺すと出てくるゴミも凄い。特にかさばるのは骨と生首である。
骨は言うまでもない。大抵の部位は食べられないため、ゴミに出すしか無いのだ。
スープやタレの出汁を取るため残しておく分もあるが、多くはただのゴミであった。
また、タンなどを除けば、生首も食べられる部分は少なく、毛も多いので食用には向いていない。
今日は40個。全てをビニール袋に放り込み、固結で二度結んでしまった。
「おい、終わったか」
「はい、ゴミは全部片付けました」
大量のゴミを始末するだけで、軽く一時間はかかってしまう。
魔理沙料理は美味しいが、魔理沙を料理するのは楽ではない。まったく厄介な家畜も居たものである。

生き残った魔理沙たちは、閉店時間が来たことを知ると涙を流しはじめた。
安心感からだろうか。それとも、仲間を殺されてしまった悔しさからだろうか。
いずれにせよ、人間には関係のない事だ。一般社会にいる大抵の人間は、肉畜に同情するほど優しくない。
この魔理沙たちも明日には屠殺され、人間たちの腹の中に収まるのだろう。
と、そこに一人の店員が入ってきた。バケツを持っており、その中にはありったけの残飯が詰められていた。
「おら、食えよ」
生き残った魔理沙たちには食事が与えられる。
ただし、これは生かすための食事ではなく、肉としての品質維持の為の食事だ。
弱った結果、肉として駄目になっては仕方がない。残飯の内実は、死んだ魔理沙の内蔵と肉の集まりだ。
店員はバケツから肉を人づかみにすると、一頭の魔理沙に近づき、その口に押しこもうとした。
焼けた魔理沙の臭い。さすがに同族の肉には嫌悪感があるらしかった。その魔理沙は青ざめて、いやいやと首をふる。
「チッ、ふざけてねえで早く食えや豚が!!」
店員は残飯を床に叩きつけると、魔理沙のほほに鉄拳を食らわせた。
「がはっ……!!」
魔理沙の顔が赤く腫れ上がり、口からは血と砕けた歯がぽろぽろとこぼれ始める。
店員の制裁は止まらない。右頬を殴れば次は左、左の後は右だった。
十回ほど殴られ、歯が殆ど抜けきってしまうまで、その魔理沙は殴られ続ける。
その間ほかの魔理沙は、抗議することさえ叶わず、弱々しいヒヨコのように震えていた。
「ごべ、ん、なざい……、ごべ、んなざいぃぃ……」
壊れた人形のように同じ事を繰り返す。わがままな魔理沙は体に教えるしか無い。
その魔理沙は恐怖のあまり過呼吸になり、全身を痙攣させながら、前と後ろの穴から汚らしく排泄物を漏らしていた。

全員に食事が行き渡る。
絶望と恐怖と痛み、全ての魔理沙はさめざめと泣きながら、牧場に帰りたいと願った。
牧場でも魔理沙は家畜扱いされていた。しかしそれでも、金に変わる商品として大切にされていた。
1%ぐらいは魔理沙に優しくしてくれる飼育員もいた。仲の良い魔理沙同士、笑い合うこともあった。
しかしそれは叶わない。
魔理沙という畜生がどのように扱われるか、それは人間が決めることなのだ。
「私たちだって、人間と変わらないじゃないか……」
食事を終え、泣いていた魔理沙がふとつぶやいた。
顔をくしゃくしゃにして泣く姿は、下手な人間よりも可愛らしい。
しかし、それを聞きとった店員は笑った。
「お前らは人間とは違うんだよ」
扉が閉じる。真っ暗になる。それがこの世界における魔理沙の全てであった。

テーマ : SM・拷問・調教・凌辱 
ジャンル : アダルト

100年後の東方project(霊夢/鬱)

【1】
毎年のような幻想郷の異変は、ある日を境に全く起こらなくなった。原因は、外の世界で東方が忘れられてしまったことだ。
盛者必衰の理である。どんなに盛り上がったものでも、10年100年と時が経てば、嘘のように忘れ去られてしまうのである。
新作が出なくなり、それに呼応して、二次創作も作られなくなった。作品が新たな顔を見せることは、もうなくなったのだ。
だから幻想郷の時は止まり、新たな異変も、わずかな日常の変化も起こらなくなった。

とはいえ、東方projectが時代の波に追いやられた後も、幻想郷はそのままの姿で、現実とは別の層に存在し続けた。
木造の日本家屋が立ち並ぶ、緑あふれた懐かしい大地だ。百年前と何もかもが同じである。
木造のさびれた博麗神社も、人里のにぎやかな様子も、妖怪の山の張り詰めた空気もなのもかもが変わらない。
それはそれで、喜ばしいことでもあった。変化がないというのは平和のあかしであり、生きるという目的からすれば好ましいことなのだ。
妙な霧に苦しむこともなければ、春の消失に驚くこともない、退屈だが安全な世界に、人妖は皆なじんでいった。
ただ一人、博麗霊夢を除いて。

「やっぱり無いか……」

4月1日の朝、霊夢は100年前と同じ姿で、畳にあぐらをかき、スキマ経由で入手したノートパソコンで、様々なサイトをまわっていた。
それもこれも、東方の情報を集めるためだ。何かのきっかけで新しい動きがあるかも分からない。常に細心の情報を得る必要がある。
そのためには、外の情報を得られるうえに、伝達が早く、細かい情報にもアクセスできるパソコンを使うのが一番良い。
だが、外の世界の秘術を持ってしても、東方の新作はおろか、イラストやSSの一つさえ、見つからないのである。
言及されることぐらいはあるが、それは東方を楽しんだファンによる言及ではない。
昔のムーブメントの研究対象として、好奇心の客体として、ただただ観察されているだけなのである。

「はぁ……、つまんない」

霊夢はパソコンの電源を落とし、深くため息をついた。開け放った障子から、涼し気な風が流れこんでくる。木々がさわさわと囁く。
こんな退屈な空気じゃない。もっと刺激的な展開を、過激な新境地を、霊夢は欲していた。溢れかえるように世界が広がっていたあの日。
結局霊夢は寂しいのだ。100年前、なんだかんだ言って、沢山のプレイヤーが霊夢を見つめていた。東方の顔としてちやほやしていた。
その視線を鬱陶しく思う時もあったけれど、一度失うと、それがどれだけ心の支えになっていたか、痛いほど分かるのである。
そして、100年前にあった、白熱の弾幕戦、新しい仲間を迎えるあのドキドキとした感覚にも、狂おしいほどに飢えていた。

「もう、新聞とってこよ……」

いい天気だ。空は真っ青で、風もさわやかだった。その何もかもが、全くもってむなしい。
霊夢はわらじに履き替えると、だらだらとした調子で賽銭箱の近くに歩いていった。そこに、博麗神社の木製ポストが設置されている。
かちゃりと開ける。投函物はそれほどない。そこにはただ、文々。新聞の朝刊がいつものように突っ込まれているだけであった。

「あいつもご苦労なことね、毎日毎日」

幻想郷の新聞は、呆れるほどに退屈だ。もうとっくに、新聞にするようなネタもなくなっているのだ。
日常の些細な出来事を報じるか、そうでなければ大昔の異変について、焼き直すように書き付けるしかないのだ。
それでも霊夢が新聞をとる気になったのは、そのわずかな刺激が、気晴らしになるからだ。霊夢にはとにかく気晴らしが必要であった。
霊夢はさっそく新聞を開く。霊夢は、このけだるい気分を吹き飛ばすような、腹のよじれる愉快な記事があることを祈った。
天狗のがめつさは伊達ではなく、紙面の半分は広告である。それらを無視して、まずは一面の見出しに目をやった。

<東方project 久々の新作! 自機は霊夢氏と魔理沙氏>

「……へ?」

霊夢は目をぱちくりとさせ、その見出しをぐるぐると読み返す。
霊夢は記事の見出しを現実のものと分からなかったのか、しばし呆然としていたが、やがてその意味を頭に吸収していった。
記事は続いている。スーパーコンピューター上に再現されたZUN氏の仮想人格が制作を行うこと、懐かしい2D弾幕STGであること、
もちろん弾幕も健在で、スペルカードシステムも搭載されている。進化しすぎたいつも通りがテーマであるらしい。
つまり、数十年ぶりに、博麗霊夢晴れの舞台がやってきたのだ。

「うそ……大変、準備しないと!」

目をらんらんと輝かせて記事を三度読むと、霊夢は神社の離れに建てられている、古びた蔵に走っていった。
巫女装束のポケットから鍵を取り出し、がちゃがちゃと乱暴に扉を開ける。

「ここに、あったはずよね。ええと……」

この蔵を開いたのも、50年ぶりだ。なにもかもがほこりをかぶっていたが、不思議とどの物も痛んではいなかった。
霊夢は真正面の木箱を開けた。目的のものはそこにはない。なにせ50年ぶりだから、何がどこにあるか、検討がつかないのだ。
いくらか箱をひっくり返し、違うものが出ればそれを端に追いやる。

「まったく、一度整理しないといけないわね……、あ、あったあった」

太極図の描かれた箱には、またしっかりと鍵がかけられていた。霊夢はそれを、ゆっくりと開ける。
するとそこには、異変解決の道具が一式揃っていた。退魔針に陰陽玉、祓串に、胸を固定するさらしなど、何もかもがそのままだった。
霊夢はその箱を中身ごと蔵から持ち出し、神社の縁側まで運んでゆく。
そして、水をたたえる神社の池のそばで、霊夢は祓串を手にとった。そして、霊夢はあの日のように空へ飛んだ。

「ふふ、なんだか、気持ちいい」

吹き付ける風が、なぜだか爽やかで心地が良かった。そのまま弾を飛ばし、針を投げる。杉の木に命中し、ここんと景気の良い音を立てた。
すべて命中している。腕は全く鈍っていない。数十年ぶりの弾幕ごっこも、なんとか上手くやれそうだ。
霊夢は空中で弧を描き、一回転して地上に降り立った。大きなリボンが、風に揺られて翼のように羽ばたいた。

「そうだ、早くみんなにも教えなくちゃ」

霊夢は異変解決道具一式を、巫女装束に忍ばせると、地面を蹴って走りだした。
その顔はいつぞやのように静かで、晴れ晴れとしたものに変わっていた。



【2】
まず真っ先にやってきたのが、魔法の森にある魔理沙の家だ。
幻想郷は今も変わらず、魔理沙は今も半人前の努力家である。手癖のわすさももちろん治っていない。
そんな彼女でも、霊夢にとってはパートナーのようなものなのだ。まず知らせるとしたら魔理沙なのである。
空から森を俯瞰する。100年前のあの日のように、魔理沙の家は森にある。わずかに開けた所に、石色のえんとつが見えるはずだ。
長い付き合いだから、緑の樹海でも迷うこと無く、魔理沙の家を見つけることができた。
煙突からは煙がもうもうと立っている。料理をしているのか、それとも実験だろうか。
近くに降りてみると、木製の椅子に腰を賭けたアリスが居るのが分かった。
アリスは、椅子の側のテーブルに道具を置いて、裁縫に没頭していた。作っているものの細かさからすれば、それは人形のドレスであろう。

「アリスじゃない。こんな所で人形作り?」
「そうよ、今度人里で人形劇をやるから。魔理沙にも手伝ってもらってね。演出用のスペルカードを作ってもらってる所よ」
「あら。そうなの。間が悪かったわね。伝えたい事があったのに」
「もうそろそろ終わると思うわ。用事なら、待っているといいわ」

空からやってきた霊夢に、アリスは笑顔を贈る。アリスが人里にやってくるのも、もはやいつもの事だ。
あれから100年、アリスの周りにも何の変化もなかった。悲願である完全自立人形の制作も、全く進められない。
心の中に秘めた思いも、いまだ叶う気配がなく、そしてこれからも実現することはないだろう。
そうして霊夢は、アリスと談笑した。いつもの話題、いつもの内容。そうこうしているうちに煙突の煙は失せ、魔理沙が家から現れた。
白黒のエプロンドレスは全体的に煤けていて、悪戦苦闘していた様子が、ありありと浮かぶ。もちろん昔と同じ、少女の姿のままだ。

「魔理沙、やっと出てきたわね」
「霊夢。何か用か?」
「これ。久々の大ニュースよ」

霊夢は魔理沙に、今日の朝刊を渡した。開かれる新聞を、アリスも覗き込む。

「なになに、東方projectの新作……、だって?」
「そうなのよ。嘘みたいな話でしょ、ふふ、腕がなるわ」
「ん、ああ、そうか……、そりゃ、良かったじゃないか」
「何他人ごとみたいに言ってるのよ。あんたも自機なんだから、ちゃんと準備して勘を取り戻さないと、使ってもらえないわよ」

魔理沙は、目をそらし、きょろきょろとあらぬ方向を向きながら、額に汗を流した。
一方、新聞を覗き込んでいたアリスは、二人の顔色をうかがいながら、何やらもじもじとしている。何か言いたそうだ。

「でも、これって……その」
「……アリス」

しかし魔理沙が牽制すると、それきり話すことはなかった。

「何よ、あんたたち嬉しくないの? 東方の新作よ? それも、2D弾幕STGなのよ?」
「ああ、もちろん嬉しいぜ。その……、頑張ってな、霊夢」
「……? 変なの。もっとはしゃぐと思ったのに」
「ああ、私ももう、子供みたいにはしゃいじゃいられないから」
「何それ? おかしな魔理沙」

魔理沙がおずおずと新聞を差し出すと、霊夢はそれを受け取って、飛び立った。
霊夢はこのことを幻想郷中に伝えて、この新しい刺激を、喜びと共に分かち合いたかった。

「それじゃあ、私は行くから。二人共、平和ボケしてたら駄目よ! これから、また東方が動くかもしれないんだから!」

魔理沙とアリスの姿は、やがて米粒のようになり、見えなくなった。
そして森に背を向けて、幻想郷の地平へ、まずまず袖をなびかせながら飛びさっていった。



【3】
霊夢が飛び去ったのを見て、魔理沙とアリスは顔を見合わせた。思っていることは同じらしい。

「今日って、4月1日よね」
「……ああ」
「何で言ってあげなかったのよ、魔理沙」
「だって言いづらいだろ。あんなに元気な霊夢を見たの、久しぶりだぜ」
「……そうね」
「言えるはず、ないだろ」

魔理沙は頭を抱えた。東方の新作が途切れて、霊夢は変わってしまった。
表面上はいつも通りであるかのように取り繕っているものの、その表情は暗く、生きる希望さえ無くしかけているようでさえある。
魔理沙は、霊夢はめんどくさがりで、異変解決もしぶしぶ行なっているものと考えていた。
異変解決が楽しみであるのは、むしろ魔理沙や、早苗のような人種であるのだと思い込んでいた。
しかし、実際は違った。知らず知らずのうちに、霊夢は異変を心の支えにしていたのだ。

「本当のことを知ったら落ち込むぞ。いや、落ち込むだけじゃ済まない。あいつ、記事を書く前にこうなるって、分からなかったのか?」
「そうね。霊夢の反応をわかってたら、さすがにやらなかったと思うわ」
「あいつ、大丈夫かな。早く知らせたほうがいいんじゃないか」
「……さすがに、隠し通せるものでもないわよね」

魔理沙は家の中に走り、玄関に立てかけてあった竹箒を持ってきた。

「魔理沙、どうするつもり?」
「文の所に行ってくるぜ。事情を聞いて、謝らせないと。アリスはここで待っていてくれ」

魔理沙は箒にまたがって、飛んだ。それはもう、ものすごい速さで飛んだ。
これだけの速さで飛ぶのは、異変の解決をかけてスペルカード勝負をしたとき以来である。
魔理沙の心もなんだか、感傷に浸り始めていた。

「くっそ、あいつ、一発なぐってやろうか」



【4】
その後、霊夢は幻想郷の各地を回った。紅魔館から永遠亭、人里のような大きな場所から、見知った顔に知らせて回った。
新聞は全ての場所でとられているわけではない。霊夢の言葉で、始めてその記事を知る者も少なくなかった。
しかし、その記事をあらかじめ知っていようと知っていまいと、反応はたいてい同じなのである。
もごもごと黙りこむか、何か取り繕ったような言葉をだすか、素直に喜んでくれる者はそうそう居なかった。
紅魔館の主、レミリア・スカーレット曰く。

「あのさ、霊夢。あまり期待しない方が良いと思うわよ……、なにせ久々のことだからね」

霊夢は考えた。きっと皆、あまりに突然のことで、まだ心の整理がついていないのではないか。
だから、あんなにバツの悪そうな顔をするのだ。そこまで考えて、霊夢は初めて納得できた。
しかし、納得したからといって、心が満たされるわけではない。
喜び合って楽しい気持ちになりたかった霊夢は、すっきりしない気持ちを抱えながら、夕暮れの博麗神社にやってきた。
真っ黒なカラスが、オレンジ空でかあかあと鳴いている。その呑気な姿を見て、霊夢はため息を付いた。

「いけない。主人公がこんな陰気な顔してたら……」

霊夢は邪念を払うように頭を振った。両頬をぱんぱんと軽く叩く。これから新しい東方が始まるのだ、私だけでも笑顔じゃないと。
賽銭箱の前に着地をする。いちおう、賽銭を確認しておくのが日課なのだ。もちろん、賽銭など入っているはずがないのだが。
そのままいつものように縁側へ向かって歩き始めた。そういえば、今日は何も食べていない。やけにお腹が空いている。
今日の晩御飯は、いつもより豪華にしよう。前祝いだ。貰い物の高いお酒も、今日のうちに開けてしまおう。
そんなことを考えながら、縁側までやってくる。すると、そこには黒い羽を背負った、天狗の記者が座り込んでいた。

「ん? 何よ、文じゃない。どうしたの」
「霊夢さん……」
「今日の記事、久々のスクープじゃない。あんたの新聞をとってて良かったって、初めて思ったわ」
「ええ、それはどうも…‥、あの、そのことなんですけれど」

記者として、身だしなみに気を遣う文にしては、なにやら髪の毛が乱れていた。
瞳は赤く、目元には涙のあとが残っていた。その頬は殴られたかのように、赤く腫れている。
気まずそうな顔で霊夢を見ようとするが、まともに目を合わせられないようで、すぐにちらちらと逸らすのである。
霊夢はその天狗らしからぬ様子に、思わず首をかしげた。

「はっきりしなさいよ。新シリーズを前に、インタビューでもしたいって訳?」
「いえ、そうじゃなくて……あの、今日は何の日がご存知ですか」
「へ? 東方の新作が発表された、記念すべき日じゃないの」
「いえ、あのですね。今日は、エイプリルフールといって……」

4月1日はエイプリルフール。この日だけはふざけた冗談も許される。

「ええ、聞いたことはあるわね」
「で、ですから! あの新聞記事は……、東方の新作があるというのは、嘘、なんです」

文は立ち上がり、面と向かって頭を下げた。

「ごめんなさい。まさか、本気にするとは思わず、……他の人に霊夢さんの話を聞いて、本当のことを伝えようと思いました」

霊夢はしばし立ちすくしていた。何も、言葉を発さなかった。
文はゆっくりと、顔を伺うように頭をあげる。霊夢は、祓串を持った手をわなわなと震えさせていた。
泣いていた。あの霊夢が、無表情のままぽろぽろと涙を流していた。そしてぽとりと、片手の新聞を取り落とした。

「何で……?」

霊夢は袖で、目元を拭った。それでも涙が溢れてきて、霊夢にも止めることが出来なかった。
霊夢以外の人々は、みんなわかっていたのだ。それなのに自分一人踊らされて、バカみたいに言いふらしていた。
恥ずかしさと情けなさと、そして悲しさで、頬から耳にかけて、熱を帯びたように熱くなる。

「霊夢さん、すいません。あの、騙すつもりはなくて」
「……っっ!! うるさいわねっ!!」

片手の祓串を文に投げつけた。文の頭に思い切りぶつかるが、文はただ、申し訳なさそうに頭を下げた。

「あんたに、私の気持ちが分かる!? 文は良いわよ、新聞記者で、みんなにちやほやされて……っ!!
 私なんて、異変がなければ、誰にも認めてもらえないのよ、誰も参拝に来ないし、もう居ないのと、同じで……!!」
「そ、そんなことは……」
「今日のこと、聞いてっ……!! 嬉しかっだのに……!!」

感極まって、涙が滝のように溢れてきた。霊夢は土ぼこりの舞う地面に崩れ、わんわんと泣き始めた。
鼻水もたれて、子供のような表情になっているが、それでも涙を止めることは出来なかった。

「あの、ハンカチを」
「ぞんなの、ぐす、いらない……! もう、帰ってよぉ……っ!! あんたの顔なんか、もう見たくない!!」
「……はい」

文は悲しそうな表情をしたまま、ぱたぱたと飛んでいった。
そして誰もいなくなった博麗神社で、霊夢は地面にうずくまったまま、わあわあと泣き続ける。
霊夢は少女として作られ、そして今も少女であった。マイペースに見えて、霊夢の心にも思春期の繊細な部分があるのだ。
そして博麗の巫女という、退屈な、そして重要であると同時に、空気のように認知されない役職の重圧がある。
そのバランスを取っていたのが、異変とその解決と、それによる名声であった。
外の世界の変化に、一人必死にかじりついて、平和な幻想郷を受け入れなかったのもそのためだ。
とはいえ、どんなに隆盛をほこったものでも、時間が経てばたいてい忘れ去られてしまう。そのバランスが崩れるのは、運命である。
外の世界で東方が廃れてから、均衡は崩れた。それが全て、今日の出来事につながったのだ。

「もう、嫌ぁ、わたし、どうしたらいいの……?」

霊夢の塩っぽい涙が、ぽたぽたと地面に染みこんでゆく。
霊夢は胸のうちの怒りを吐き出すように、地面をひっかき、平手で何度も叩く。
しかし手の平が痛むばかりで、涙は止まらず、心も満たされなかった。

翌日、霊夢は博麗神社の居間で首をつった。それから数時間後に、やってきた参拝客によって死体が発見された。

テーマ : SM・拷問・調教・凌辱 
ジャンル : アダルト

アリス・マーガトロイドの大脱出マジック!!!(アリス/事故)

「く、くそ、開かないぞ?」

魔理沙は、この日のために建てられた茶色い木造倉庫の扉に、必死になってかじりついていた。ふたたび、鍵穴にはりがねを差し込む。
かちゃかちゃと音が鳴るが、肝心の手応えはない。何度も何度もリハーサルを行ったにもかかわらず、全く鍵が開かないのだ。
このままではまずい。制限時間はあと5分しかない。魔理沙の手の平はじっとりとした嫌な汗で濡れている。
その木造倉庫から10メートルほど離れた場所では、そんな事態も知らず、司会である文と椛がマイクを握っていた。

「爆発まで後、5分ほどになりました……、魔理沙さんは本当にアリスさんを助けられるんでしょうか?」
「分かりません。倉庫の鍵は物凄く厳重ですから」

河童たちが撮影器具を持って、倉庫の周りを忙しく走りまわっている。メインカメラが文の緊張した面持ちを映しだした。
文々。TV初の生放送であり、脱出マジックの放映としても初めてである。この企画の成否には、放送事業の行く末がかかっているのだ。
汗ばんだ文の硬い表情も、震えるようなその声も、いたって当然のことだった。

「なにせ、木造の倉庫には、5重の鍵がかけられていて、簡単には侵入できません! そして中には入れたとしても、
 アリスさんを助けるには、厳重な縄をほどき、3つの手錠、4つの足かせを解除しなくてはならないのです!」
「でも文さん、魔理沙さんもアリスさんも魔法を使えますよね。魔法を使えば脱出は簡単なのでは?」
「それは不可能です。お二方には、博麗神社提供の魔法禁止の御札が貼られています。ほんの数ミリ、空をとぶことさえできません」
「なるほど。純粋に、開錠の速さが問われるんですね」
「ええ。さあ、幻想郷初の大脱出マジック、果たして本当に成功するのでしょうか!」

2人のコメントで、魔理沙は余計に焦る。5個の鍵のうち、解除できたのはたったの2個だ。
脱出マジックが始まって1分半、残り時間は4分半、倉庫から離れる時間も考えると、かなり厳しいペースであった。
3つ目にかけられていた南京錠を、外して地面にかなぐり捨てる。

「落ち着け、私……」

リハーサルでは、最初の数回を除いて何度も成功してきた。直近の10回は全て成功している。
そして鍵の解除練習は、その何倍もやってきたはずだった。それなのに何故、本番では上手くいかないのだろうか。
魔理沙は汗ばんだ手を、エプロンドレスの裾にぬぐった。手元がぬめって、針金をつまめないほどになっていたのだ。
そして深く深呼吸をする。バクバクと踊る心臓をなんとか鎮めようとする。落ち着いてやれば、こんなもの簡単なはずだ。
魔理沙はふたたび解錠にとりかかる。すると、今度はスムーズに開けることができた。
さらに扉の最後の鍵も、流れるように外し、そうして第一関門である倉庫の扉を、やっとのことで開けたのである。

「よっしゃ!」

魔理沙は思い切り扉を開けると、全速力で飛び込んだ。

「おおっ! 魔理沙さんが第一関門を突破しましたよ!」
「でも、少し遅いようです……」
「あと爆破まで3分半です。確かに、少し遅れているかもしれません。それでも魔理沙さんなら、やってくれるはずです!」

そのような解説を背に、魔理沙はアリスの座る椅子の前に座った。アリスは泣き笑いになっている。
このマジックには、何のトリックもない。鍵を外してもらえなければ、椅子の爆弾が爆発してしまうのだ。

「遅かったじゃない魔理沙ぁ……、私、ほんとにこわくて……っ!」
「ごめんな、ちょっと手間取っちまった」

アリスの手錠と足かせは、椅子にがっちり括りつけられている。さらにイス自体も地面に固定され、少女の力では動かせない。
つまり、アリスが脱出するためには、魔理沙に鍵を解いてもらうしかない。そしてアリスに出来るのは見守ることだけだ。
魔理沙はスムーズな手つきで足かせの鍵を外してゆく。一個、二個、三個、四個、流れるような手つきであった。
そして四つの鍵を外すと、漸くアリスの足が自由になる。アリスもやっと、安心したような顔を見せた。
魔理沙は袖で、額の汗を拭う。まだ気は抜けない。手錠を外し、時間を見計らって、逃げなければいけない。
魔理沙はしゃがんだまま3歩あるいて、椅子の裏に回った。そしてアリスの手錠を手にとった。時間はまだ二分半もある。

「このペースなら、なんとか大丈夫よね」
「ああ、楽勝だぜ!」

魔理沙はにっこり笑う。2分半もあれば、一つの鍵で30秒使ったとしても、余裕を持って脱出できる。
歩いて脱出しても間に合うぐらいだ。むしろスリルがなくて、番組的に困るぐらいかもしれない。
魔理沙は細い針金を、そっと鍵穴に差し込んでいった。

「あれ?」

最初は違和感から始まった。鍵穴の感触が少し違うような気がしたのだ。しかし、気のせいだろうと、魔理沙は思い直した。
魔理沙は針金をかちゃかちゃといじりはじめた。そのまま無言で作業をすすめる。
そしてその金属が触れ合う音は、一秒ごとに大きく、細かく、やがて焦りを含んだものになった。
魔理沙は無言だ。べたついた手をまた裾で拭う。そして再び鍵穴をいじる。開けなれたはずの、鍵が開かない。
何も喋らない魔理沙に、アリスは不安を感じ、首を捻って後ろを振り返った。

「魔理沙、大丈夫よね?」
「あ、ええと……それは」

魔理沙の声には明らかな焦りが含まれていた。

「アリス、落ち着いて聞いてくれ……、この手錠、リハーサルの時と違うんだ。同じやり方じゃ開けられない」
「……へ? そんな、なんでよ?」
「分からない。何かの手違いかな」
「やだぁ、大丈夫よね」
「大丈夫、だと思う……」

アリスもそれ以上、言葉を紡ぐことができなかった。魔理沙はふたたび、未知の錠前に挑み始める。
この種の鍵には、ある程度共通した形式がある。だから、見たことのない鍵でも、経験を応用すれば開けられるはずだ。
問題は、あと2分しかない残り時間で、錠前の差異を掴んで解除することができるかということである。
初めての脱出マジックの放送に、文も椛も、幻想郷中の視聴者たちもドキドキしているだろう。
しかし、このマジックで一番肝を冷やしているのはこの2人、特に命がかかっているアリスであった。

「魔理沙、早くしてよ、こ、このままじゃ、私達、まずいわよね」
「……分かってるよ」
「じゃあ早く、早くしてぇ、怖い、怖いよ、ああ、お母さん……」

時間が進む旅、アリスは早口になった。額には汗の玉がうかび、頬は焦りからか真っ赤に染まっている。

「魔理沙、まだなの? ねえ、早く、早くして、もう私、限界なのぉ」
「おい」

魔理沙は苛々したような声を出した。魔理沙も焦りはじめているのだ。

「ちょっと黙っててくれよ。集中できない」
「……うん」

その声で、漸くアリスの声は止まった。代わりにびくびくと震えながら、うっすらと涙を流し始めた。全身が汗で冷え切っている。
真っ白なドロワースだけでなく、その上のスカートやブラウスにかけてまで、べったりと汗で濡れ始めていた。
魔理沙も魔理沙で、焦りは相当のものだ。まだ最初の鍵さえ外せていない。手元はぷるぷると震えている。残り時間は1分。

「お、よし! 一個開けた!」

そうして奮闘した成果か、手錠の3つの鍵のうち、1つを外すことができた。あとは二つだけ。二つ外せば外に出られる。
最初の一個に時間を賭けたが、後の二つは同じようにやれば良い。なんとか、間に合わせられる。
すぐさま次の鍵穴を外そうとする。15秒ほどで外れた。残り45秒。

「アリス、もう大丈夫だ」
「ほ、ほんと……?」

アリスは、ずっと椅子に座っていたにもかかわらず、極度の緊張で疲労しきっていた。

「ぐす、もう、一生脱出マジックなんてやらないんだから……」

脱力したアリスは、そんな本音ほぼそりとつぶやいた。
そして魔理沙は最後の鍵穴にとりかかる。2つ目の穴と何度は同じ、だから、何の問題もない。
魔理沙はそう思っていたし、それは理屈の上から言っても正しいことであった。

「あっ!!」
「な。なに!? どうしたの!?」
「折れた……」

最後の最後で、突然、魔理沙の針金が折れた。何度も何度も使って、手に馴染んだ針金であった。
しかし本番に入って、焦りから少々酷使しすぎたのだろう。真ん中の部分が限界になって、ぽきんと情けなく折れてしまったのだ。
魔理沙はすぐさま予備の針金を取り出そうとする。しかし、無い無い、魔理沙はどのポケットに針金を入れたのか、忘れていた。

「あああ、まずい、まずい……」

魔理沙は狂ったようにポケットを探る。魔理沙のエプロンドレスには、幾つものポケットがあった。
そのどこかにあるわけだが、どこにあるかが分からない。焦りさえなければ、5秒でみつかるはずの針金だった。
やっとのことで、スカートのポケットから取り出す。魔理沙は倉庫の時計を見る。残りはわずか25秒しかない。
アリスはがたがたと震えはじめた。あと25秒で脱出できなければ、死ぬ。背筋がぞっとして、全身の毛が逆立った。
また見れば、もう23秒しかない。

「あ、あ、あ、魔理沙、まりさ!! ひゃ、早く、はやく!」
「わ、分かってるよぉ、わかってるのに……っ!!」

アリスが叫ぶ。魔理沙は必死で鍵を開けようとする。しかし、手元が震えて、解錠どころではない。
魔理沙とて、このような死に直面して、冷静でいられるほど図太くはなかった。結局2人共、根っこはただの女の子なのだ。
あと20秒。時計の針の音が、心臓に響いてくる。
かちり、19。
かちり、18。
かちり、17。
かちり、16。
かちり、そうして、魔理沙の心は折れた。

「アリス、ごめん!!」
「えっ……!」

魔理沙は解錠を投げ出し、倉庫から飛び出していった。全力疾走だった。爆薬の火力はすさまじく、5メートルは離れないと危険だ。

「ま、まり、冗談よね……? あ、ああ、あぅ……う、嘘、嘘よ、こんなの嘘よお゛お!!!」

アリスは泣き叫んだ。じょろじょろと小水を漏らしながら、なんとか逃げようと暴れ始めた。両足をばたつかせ、狂乱して体をねじる。
しかし、アリスの両手は手錠でがっちりと固定されており、イスから決して離れない。魔法も使えないアリスが逃げる道はない。
黄色い水がイスをびちゃびちゃに濡らし、靴下とブーツはぐっしょりと濡れて、暗い色に染まった。

「ああ゛ああああ!! 助けでえええええ!!! 嫌ぁあ゛ああぁぁあああ!!! 死にたくないよお゛おおぉぉおおぉっっ!!!!」

残り時間、あと3秒。

「戻ってわたしをだずげてえええぇぇぇ!!! あああ゛あぁぁ、魔理沙あ゛ああああ!!!」

そして、時計の針が、最期の一秒を刻んだ。それと同時に、イスに括りつけられていた爆弾が、非情にも爆発した。光は赤かった。
屋根が吹き飛び、空中でばらばらになる。そして木造倉庫は明々と燃え始め、真っ黒な煙を空に向かって吐き出し始めた。
一面にたちこめるその煙と、立ち昇る炎は、茶色の倉庫を殆ど覆い隠してしまった。
消火準備をしていた河童のスタッフたちが、河童製の消火器で炎に立ち向かう。さらに外由来の旧式消防車が、勢い良く水を叩きつけた。
白い煙がぶわっと上がり、火はだんだんと掻き消えてゆく。しかしそれでも、火の手はなかなか収まらなかった。

「あ、あの魔理沙さん。これって、演出ですよね? ね? 失敗じゃ、ないですよね?」

魔理沙は、倉庫から離れた場所で泣き崩れていた。文は震える声で、魔理沙にマイクを向ける。
しかし魔理沙は嗚咽をもらしながら泣いていて、まともな声がでない。やっと出た声も、枯れ切ってしまっていた。

「ちがう、しっぱいした……、早く、早くして、じゃないと、アリスが死んじゃう……」

文の顔はさっと青くなった。椛は不安げに、しっぽをばたつかせている。
消火活動は案外早く終了した。炎はすべて収まり、煙もほとんど消えてしまった。
あらかじめ消火準備をしていたのが、意外な形で役に立ったのである。
煙の奥から現れた倉庫は、真っ黒に焼け焦げていた。壁はほぼ崩れ落ち、柱も殆ど吹き飛んでいた。
火災現場の様子をカメラが記録してゆく。そしてそのカメラが、肌色の物体を捉えた。

木炭の合間に、アリスの体がころがっていたのだ。両足は千切れ、あらぬ所にころがり、強い炎で茶色く焼け焦げていた。
片腕は豪快に吹き飛んだらしく、唯一残っていた真っ黒な柱に、矢のように突き刺さっている。
そして上半身は、床に転がっていた。腹部は完全に吹き飛んだようだ。生焼けの内蔵が、どろどろと漏れ出している。
アリスを象徴するあの青い服も、殆ど焼けてしまって、茶色い布の切れ端が肌のところどころにこびりついているのみだ。
露出した肌にはやけど跡がある。直接火を浴びたのか、左胸の周辺は炭化していた。
髪の毛もいくらか焼け焦げ、そして目は、まったくの白目を剥いている。右腕は思いきり伸ばされていた。
おそらく、吹き飛んだ瞬間から数秒は、わずかな意識があったのだろう。逃げようと、助かろうと、手を伸ばし他に違いない。
医師の診断を待つまでもなく、アリスは死んでいた。爆死したのだ。

「きゃあああああ!!!」
「止めて! カメラ止めて! 早く!」

河童が急いでカメラを止め始めた。幼い河童には、吐き気をこらえている者も居る。
椛は呆然と立ちすくんでいる。魔理沙はうずくまり、泣きながら居なくなったアリスに謝罪し続けた。

「ごめん、ごめんよアリス、ごめん、ごめんなさい……」

文は、片手に持っていたマイクを、足元の芝生に取り落とした。

テーマ : SM・拷問・調教・凌辱 
ジャンル : アダルト

姉妹サイト

ロリ少女官能小説集

ロリータ官能小説。グロが苦手は人はこちらへ。
プロフィール

幼女公爵

Author:幼女公爵
ロリ少女官能小説集には絶対に掲載できない、滅茶苦茶鬼畜な小説を載せていきます。とりあえず、自作の東方系SSを転載。「おにく」というHNで投稿していた作品群です。名前の由来は、初めて投稿した小説がカニバリズムものだったからという……。

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
他サイト様更新情報
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Kindle小説
※獣姦小説へのリンクはありません。
お手数ですがAmazon内検索をご利用下さい。
【検索ワード例:幼女公爵 獣姦】

スマホ/Kindle端末/PC等で読めます。
無料の試し読みも出来ます。
JS少女x3とはじめてのおちんちん 何も知らない女の子にいきなり突然見せてみた 限定無料配布シリーズ (YKロリータ文庫)
JS少女x3とはじめてのおちんちん 何も知らない女の子にいきなり突然見せてみた(JS7歳~11歳/露出)
落花JSジュニアアイドル(3) 徹底陵辱枕営業 母娘の夢のゆくすえ(JS11歳/ジュニアアイドル)
落花JSジュニアアイドル(2) 中出し乱交撮影旅行 売り渡されたはじめて(JS10歳/ジュニアアイドル)
落花JSジュニアアイドル(1) 無毛少女禁断絶頂 剥き出しにされたからだ(JS10歳/ジュニアアイドル)
JS銭湯合法露出 男湯で性欲を発散する変態少女(JS11歳/露出/乱交)
子供企画5 JE美少女性奴隷輪姦レイプ撮影(JE5歳/輪姦)
JSお嬢様誘拐姦 犯され汚され肉人形にされた少女(JS8歳/強姦)
ロリータ妊娠風俗 ねずみ少女の大家族子供娼館(5歳/9歳/売春)
子供企画4 JSネット声優脅迫レイプ撮影(JS10歳/撮影)
JS聖夜姦淫 純粋なロリ少女がロリコンサンタと中出し交尾(JS9歳)
JS姪欲処理 引き取ったロリ姪に挿入中出しする叔父(JS8歳/近親)
悪魔の落とし子 JSレズ娘に陵辱された性奴隷お母さん(JS10歳/母娘)
捨て犬少女の発情期 ちっちゃなおまたがとろとろに濡れて……(JS相当/犬娘)
・ビッチJS生犬姦 欲求不満淫乱ロリがちんちん欲しさに獣姦セックス!(JS10歳/獣姦)
山奥の売春孤児院 JS少女とおじさんの受精セックス結婚式(JS11歳/妊娠)
ロリコン少女の過ち あの夏レズJCは親戚の幼女を襲った(JS8歳/JC14歳/レズ)
あさひ三姉妹1 変態叔父さんのがちぺど幼女淫乱保育(JE1-5歳)
英国幼女の誘惑 淫乱金髪JSと両穴セックス留学生活(JS8歳/英国)
・子供企画3 JSお嬢様獣姦処女レイプ強制撮影(JS12歳/獣姦)
清楚系変態お姉ちゃん オナニー晒しのJK姉は弟くんに恋をする(JK17歳/おねショタ)
幼風俗 売春幼女ハーレム禁断のメス穴セックス(JE3-5歳/売春)
JS鬼父睡姦 6年間眠らされ犯され妊娠した愛娘(JS7-12歳/睡姦レイプ)
女児銭湯 JS姉妹いたずらお風呂初セックス(JS9歳/7歳/和姦)
JSレズ開花 家庭教師お姉さん性の百合授業(JS10歳/18歳/レズ)
子供企画2 JSサッカー少女レイプビデオ撮影(JS11歳)
自画撮りJCと売春JS 背徳のネット露出(JS11歳/JC12歳)
楽園崩壊 女子高生を16年間騙し島民総出で強姦した理由(JK16歳)
子供企画 JS高学年強制AV出演(JS10歳)
JSひまりちゃんエッチな初体験実習 近未来性教育(JS6歳)